こんにちは。おだんごです。
日本には565もの生協があるのは知ってましたか?
その中でも、生活クラブ生協は日本一要求の多い生協と言われていて、とてもこだわりのある生協です。
その生活クラブってどういう成り立ち、気になる〜
気になるよね〜。生活クラブは牛乳の共同購入から始まった生協だよ。
この記事を読めば、
- 生活クラブ生協について歴史や成り立ちがわかります
- 生活クラブが好きになります
- 生活クラブを友達に紹介したくなります
ぜひ読み進めてください。
生活クラブの成り立ちは?
生活クラブ成り立ちは、1965年。
東京都世田谷区にて、200人あまりの主婦たちが集まって牛乳329本の共同購入からスタート。
当時、消費者を苦しめたのが牛乳値上げ。
それに対抗して3円安い牛乳の共同購入サークルを作ったのが生活クラブの始まりです。
生活クラブは牛乳からはじまった生協だからか、牛乳へのこだわりは強いです。
生活クラブの創業者
生活クラブの創業者は、社会党系の政治運動に絶望した岩根邦雄夫妻と19歳の河野英次の3人。
1932年京都生まれ。東京綜合写真専門学校卒。65年、生活クラブ結成。68年、生活クラブ生協設立。81年まで理事長。80年、市民セクター政策機構の前身の社会運動研究センター代表委員。現在は、生活クラブ生協・東京、埼玉、千葉、長野の顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
『生活クラブという生き方 社会運動を事業にする思想』より
- 1946年東京都生まれ
- 1965年生活クラブ結成、牛乳の共同購入開始
- 1989年生活クラブ東京 理事長兼専務理事
- 1999年生活クラブ連合会 会長就任
- 2006年生活クラブ連合会 顧問
完全に蛇足ですが、生協自体が共産党系の運動と親しい経緯から、警察は入れないというのを聞いたことがあります。
生活クラブの歴史
生活クラブの歴史は、成り立ちでも書いた通り、1965年の牛乳の共同購入からはじまりました。
その後平田牧場との提携や牛乳工場を作ったりと他の生協とは一線を画する取り組みを次々と着手。
これらの活動が「日本一要求の多い消費者」とまで言われるようになっています。
生活クラブ54年の活動を振り返ると、こちら。
1965年 「生活クラブ」結成。牛乳の共同購入はじめる
1968年 「生活クラブ生協」創立。「班別予約共同購入」スタート
1971年 「生活と自治」を機関紙として発行(81年から情報誌として組合員個人払い制に)
1972年 生活クラブのオリジナル消費材第1号「信州みそ」を開発
山形県遊佐町農協と米の提携生産スタート
平田牧場と日本初の無添加ポークウインナー開発に取り組む
平田牧場とは無添加のポークウィンナーの取引からお付き合いがはじまりました。
1974年 組合員の自主管理による豚肉の産直スタート
1979年 日本の生協で初めての直営牛乳工場が千葉に完成。
牛乳の直営工場を作った生協は生活クラブだけ!
1981年 生活クラブ運動のシンクタンク「社会運動研究センター」設立(96年に「市民セクター政策機構」へ改組)
1982年 デポー第1号、神奈川で開設
初のワーカーズ・コレクティブ「にんじん」設立
デポーというのは、生活クラブのお店のこと。第一号は神奈川でした。
1986年 チェルノブイリ原発事故。放射能の基準を国の10分の1に設定し、お茶を出荷停止に
組合員どうしの助け合い「エッコロ共済」発足
1987年 初のデイサービスセンター「生活リハビリクラブ」が神奈川県川崎市に誕生
1988年 牛乳・オレンジ輸入自由化を契機に牛乳の殺菌温度変更を討議、パスチャライズド牛乳の開発・取り組みへ
パスチャライズド牛乳とは低温殺菌牛乳のこと。牛乳の栄養や風味が残っていてとてもおいしいんです。
→自社工場を作ってまでして欲しかったこだわりの牛乳とは?生活クラブのパスチャライズド牛乳に迫る!
1989年 “もう一つのノーベル賞”と呼ばれる「ライトライブリフッド・アウォード(RLA)名誉賞」を受賞*1
1990年 生活クラブ事業連合生活協同組合連合会設立
RLA受賞1周年記念シンポジウム「アジアの民衆と共に創る21世紀」開催
1993年 びんを再使用する「グリーンシステム」スタート
冷害による米パニック。産地との連携で乗り切り、その後、共同開発米基金設立へ
今では、69品目の消費材(品物)に対して、8種類の「リユースびん」容器を使用しています。
1995年 国連設立50周年記念「国連の友」による「われら人間:50のコミュニティ賞」を受賞*2
1997年 遺伝子組み換え作物・食品(GMO)の不使用原則を確認
「自主管理・監査制度」がスタート
1999年 ダイオキシン汚染をなくすための監視運動を開始
超軽量牛乳びんを開発(グッドデザイン賞など多数受賞)
容器包材の環境ホルモン対策を進める
韓国の「女性民友会」、 台湾の「主婦連盟」と三者姉妹提携を調印
2000年 「ストップ!GMO宣言」統一キャンペーン活動を実施
「遺伝子組み換え作物・食品の規制を求める国会請願署名」、第150国会が採択
イアン・マクファーソン博士を招きレイドロウ報告20周年国際シンポジウム開催
2001年 ICA(国際協同組合同盟)総会に代表を派遣
「あらゆるテロに反対し、軍事行動の即時停止を求める声明」を日米政府に提出
「アフガンいのちの基金」募金活動 ・マリア・ミース博士を招きGMOとBSEの解決に向けてストップ!GMO集会
共済事業スタート
BSE国内発症と食品偽装事件が続き、生活クラブ提携先にも問題が発生。対策を進める
北海道で「市民風車(風力による市民共同発電所)」第1号が完成
2002年 産地漁協との提携強化を進めるために交流会(三提携先)を実施
「種子農法推進チーム」を設置し、野菜の種子や品種を検討
米提携生産者の賛同をもって「遺伝子組み換えイネ いらない・食べない・作らない運動」の共同アピール
農薬削減のために独自の残留農薬検査を実施
容器包装リサイクル法改正運動に取り組む
2003年 販社「生活クラブ・スピリッツ(株)」を設立
第6次牛乳政策のとりまとめ
インターネット注文を全OCR単協に拡大
鶏肉加工品(一部)における製造工程の規格違反の発覚
この年からネット注文ができるようになりました!
2004年 飼料用米を食べて育った豚肉「こめ育ち豚」の取組みスタート
国産鶏種はりまの導入
潮風害支援として全額発動する予定の「共同開発米基金」を補うための緊急カンパ活動の実施
「生活クラブGM食品問題協議会」の発足
主要メンバーとして参画する「容器包装リサイクル法の改正を求める全国ネットワーク」による「容器包装リサイクル法・改正市民案」の作成
国産鶏種はりまを導入がこの年から。今では丹精國鶏というブランドにして取り組んでいます。
→丹精國鶏とは?国産鶏種はりまを生み出したこだわりの理由とそのおいしさに迫る!
2005年 (独)家畜改良センター岡崎牧場、(株)後藤孵卵場、全農、JA全農たまご(株)、生活クラブ連合会の5者で、国産採卵鶏種の育種改良共同研究がスタート
提携30周年記念事業として、タイヘイ(株)に醤油木桶を寄贈
「GM自生ナタネ監視活動」を実施
スマトラ沖地震津波災害復興に、約2,000万円を寄付
2006年 グリーンピース・ジャパンの「トゥルーフード特別賞」を受賞
CO2削減行動、生活クラブ全体で統一実施
200ml広口Rびんの導入、360mlRびんの超軽量化切り替え完了
生活クラブ独自のインターネット注文がスタート
連合会ホームページをリニューアル
メールマガジン「生活旬報」の配信始まる
2007年 新物流(飯能デリバリーセンター)、電算システムが本格稼動
「畜産飼料対策協議会」が発足、国産自給飼料への本格的な協議をスタート
Rびんの活動(びん再使用ネットワーク)が環境大臣賞を受賞
朝日新聞社が実施した「生協満足度調査」で生活クラブ生協がNo.1に
”国産鶏の卵”を広めようと「国産鶏振興協議会」を立ち上げる
「六ヶ所再処理工場」に反対し、放射能汚染を阻止する運動をスタート
2008年 平田牧場で全頭に飼料用米の給餌開始(飼料全体の5%)。豚肉は「こめ育ち豚」へ
生産への労働参画プロジェクト「夢都里路(ゆとりろ)くらぶ」発足
2009年 「Food Action Nippon アウォード2009」優秀賞受賞
生活クラブ共済事業連合生活協同組合連合会(生活クラブ共済連)設立
2010年 第5次連合事業中期計画決定
「食と農から生物多様性を考える市民ネットワーク(MOPS市民ネット)に参加し、名古屋でのカルタヘナ議定書締約国会議に向けて活動
2R(リデュース、リユース)促進運動スタート
2011年 ロゴマークをリニューアル
3.11東日本大震災、支援活動始まる
9月より、全品目の放射能検査始まる
秋田県にかほ市に生活クラブ風車建設
3.11をきっかけに放射能検査をしっかりしている生活クラブに入ったという人が周りには多いです。
2012年 放射能自主基準の正式運用開始
飯能デリバリーセンターで太陽光発電を開始
遊佐町・JA庄内みどり・生活クラブで「地域農業と日本の食糧を守り、持続可能な社会と地域を発展させる共同宣言」締結
国際協同組合年、協同組合の旅とシンポジウムを開催
2013年 「健康な食べ方」提案“ビオサポ”活動を開始
「放射能汚染に立ち向かう生産者を支援するための基金」の設立
エネルギー自給をめざし生活クラブ総合エネルギー政策を策定
生活クラブ共済「ハグくみ」スタート(生活クラブ共済連)
生活クラブ独自の共済「ハグくみ」がスタート。独自に共済を作っちゃう生協って他にはありません。(牛乳と同じく)
→生活クラブ独自の共済「ハグくみ」とは?加入するメリット・デメリットを解説します。
2014年 国際協同組合同盟(ICA)「サステナビリティ・アドバイザリーグループ」に参加
環境にやさしい電気の共同購入をめざし(株)生活クラブエナジーを設立
グリーンシステムの20周年
2015年 ロゴタイプ、スローガンをリニューアル
注文カタログリニューアル。加工食品の原材料を掲載
包材デザインリニューアル
よやくらぶスタート
「生活クラブのエネルギー7原則」を決定
2016年 放射能の自主基準値を引き下げ。「すくすくカタログ」に掲載する食品は「不検出」を基準に。
自然エネルギーによる電気の共同購入開始
「生活クラブ 福祉・たすけあい8原則」を決定(生活クラブ共済連)
2017年 飯能デリバリーセンターに事業所内保育所「生活クラブ太陽すくすく保育園」開園
2018年 「生活クラブの消費材10原則」を決定
グリーンシステムの取組で第6回グッドライフアワード環境大臣賞(NPO・任意団体部門)受賞
2019年 山形県遊佐町が生活クラブ連合会とJA庄内みどりとの「共同宣言」事業で第2回自治体政策評価オリンピックの先進事例表彰を受ける
生活クラブ関連の本
生活クラブの成り立ちと歴史│まとめ
今では全国に41万人の組合員数を誇る生活クラブ生協。
2021年で54年を迎え、他の生協とは違った独自の立ち位置をつづけています。
その生活クラブのはじまりは、牛乳の共同購入から。
牛乳は自分たちで工場を建てたり、豚肉1頭買いなど、欲しいと思うものには全力で向き合っています。
今では、たくさんの消費材(品物)を扱っていますが、年月をかけて徐々に進化している生協です。
その歴史が少しでも垣間見得たのではないかと思います。